医薬品や健康食品、化粧品などを扱う事業者は、薬事法を遵守した上で、商品の効能や効果について消費者に対して誤解を与えることが無いよう説明文の書き方や表現に注意を払うことが求められています。薬事法に違反する恐れがないか文章をチェックするにはいくつか方法がありますが、それぞれ料金がどのくらいになるのか確認していきましょう。
無料の文章チェックツールは小規模の事業者を中心に選ばれている
インターネット上で医薬品や医薬部外品、化粧品、健康食品といったものをメインに販売したい場合には、適法に事業を続けるためにも、薬事法をはじめとした関連法規の内容についてしっかりと理解することが重要です。特に、医薬品以外の商品については、消費者に期待を持たせたり、勘違いさせたりすることが無いよう、効能や効果に関する表現を避け、特定の疾患名について触れないことがポイントです。
自分が書いた商品の説明文が薬事法に違反しないかどうか不安があれば、様々な文章チェックの方法について調べてみましょう。例えば、無料の薬事法に関する文章チェックツールは、ダウンロードや利用時に費用が掛からないだけでなく、会員登録なしで使用できるものも多く、小規模の通販事業者を中心にニーズが高まっています。
無料の文章チェックツールの精度は、それぞれのツールの開発元の技術力や機能に大きく左右されるため、利用を始める前に必要な情報を集めておくことが大切です。また、数ある無料の文章チェックツールの中でも使いやすいものを選ぶには、同業他社が利用しているものに目を向けたり、商品のジャンルによっていくつかのツールを使い分けたりすると良いでしょう。
有料の文章チェックツールはプロのチェックが入るので精度が高め
薬事法の文章チェックツールには様々な種類がありますが、精度の高さを重視して選びたい時には、名の知れた企業が開発した有料のツールに目を向けるのがおすすめです。例えば、システムによるチェックだけでなく、薬事法に精通したプロのライターや弁護士などの法律家が一つひとつの文章に目を通しているツールは費用が高めのものが目立ちますが、薬事法違反を疑われるリスクを大幅に低減することが可能です。
有料の文章チェックツールの料金システムは、それぞれのツールを提供している企業によってばらつきがあります。最近では、個人事業主や中小企業をターゲットとした定額制で毎月数千円から一万円程度で利用開始できる文章チェックツールも登場しており、経営を圧迫することなく質の高いチェックを依頼することが可能です。
サポート対応がしっかりしている有料の文章チェックツールの中には、基本料金に加えてオプション料金を支払うことで、薬事法違反のリスクがある際どい表現の指摘だけでなく、より良い言い換え表現のアドバイスやリライト作業を行ってくれるところもあります。
なお、ツールによっては継続して利用する場合に、ひと月あたりの料金が安くなったり、新しい機能を利用できるようになったりするものもあり、契約前にじっくりと希望に合うツールを見極めることが大事です。
薬事法に関するセミナーはトータルで五万円前後のものが多い
薬事法の内容について理解を深めたり、商品説明文のチェックの方法を学んだりしたい時には、薬事法に関する事業者向けのセミナーに参加をするのも有効です。製薬会社の幹部社員や薬剤師、弁護士など各分野の専門家が講師を務めるセミナーは数回に分けて行われ、トータルで五万円前後の費用が掛かるものが多く見られます。
各種メディアで広く取り上げられている講師によるセミナーは相場よりも費用が高めですが、各地の事業者の間で注目が集まっており、すぐに予約受付が締め切られることもあります。薬事法に関するセミナーの参加費用を安く抑えたいのであれば、知名度はないものの優れた経験や実績がある人のセミナーや、初回限定で通常よりも参加料金が割引されるセミナーを選ぶのがおすすめです。
また、年々オンライン上で薬事法に関するセミナーが行われる機会も増えており、参加方法によっては対面形式でのセミナーと比べて参加費用を大幅に安く抑えることも可能です。そうした中、限られた時間で薬事法に関する理解を深めるには、実際にオンラインや対面のセミナーに参加をしたことがある人におすすめの講師を紹介してもらったり、資金面で余裕があれば実際にいくつかのセミナーの申し込みをしたりするのも良いでしょう。
フリーランスのライターへの依頼は実績によって料金に幅がある
フリーランスのライターに薬事法に関する文章のチェックをお願いする場合は、それぞれのライターが保有する免許の種類や過去の作業件数、スキルなどによって依頼費用に大きな差が出ます。特に、大手の製薬会社に長く勤めている人や、ライターとしてのキャリアが長い医師や薬剤師に任せたい時には、トータルのコストが高くなることもあるため、慎重に依頼先を決めることが大切です。
一方で、医療関係の免許を持っていないライターについては、依頼費用が安く済む一方で、文章チェックが不十分だったり、アフターサポートが期待できなかったりするケースもあります。高いコストを支払ってでも質の高い文章チェックをしてもらいたい時は、長年にわたる実績があるライターが登録しているクラウドサービスのサイトを使ったり、自分でホームページやSNSを開設しているライターに直接交渉をしたりするのもおすすめです。
薬事法に関する案件を専門に扱う弁護士事務所と契約するなら毎月数十万円の費用が掛かることも
薬事法に関する文章チェックを確実に行うためには、薬事法に関する案件を専門に扱っている弁護士事務所と顧問契約を結ぶという方法もあります。こうした方法を選ぶ際は、担当の弁護士のキャリアや成果によりますが、毎月数十万円の報酬の支払いが必要となることがあるため、契約前に複数の事務所に相談をした上で将来的にかかる費用のシミュレーションをすることがおすすめです。
また、主に医薬品や医薬部外品のネット通販を展開している場合は、できるだけ薬事法だけでなくIT分野の事情に詳しい弁護士に対応を任せることが大切です。
予算の範囲内で薬事法に関する文章チェックをするには
医薬品や医薬部外品を扱う事業者として適切にビジネスを進めるには、それぞれの商品の説明文のチェックをしっかりと行って、薬事法違反とならないように気を付けることが大事です。ネット上で提供されているツールの利用やセミナーへの参加、プロのライターへの依頼など、それぞれの文章チェックの方法によって料金は大きく異なるため十分に注意しましょう。