薬事法に関して企業が相談したいときにはどこが窓口になるのかを知りたいと思っていませんか。広告を出すときやパッケージをデザインするときに薬事法に違反していないかが気になる場合があるでしょう。薬事法上で化粧品に分類されるのかどうかを知りたいといった場合もあります。
この記事では企業の相談窓口の種類と特徴を解説します。
薬事法の相談は法律事務所が適切
企業が薬事法の相談をするときの窓口として汎用性が高いのは法律事務所です。法律事務所では薬事法を含めて、法律のプロとしての対応をしています。守秘義務を持って対応してくれるため、新製品の開発情報が外部に漏れてしまうといったトラブルもありません。
顧問弁護士がいる場合には相談してみるのが手っ取り早いでしょう。ただ、法律事務所や顧問弁護士が必ず薬事法に対応できるとは限らないので注意が必要です。特に顧問弁護士は経営や経理などに強い人がほとんどで、薬事にも強い人はあまり多くはありません。
弁護士や司法書士などの士業の専門家は自分自身の専門分野を持っているのが一般的です。薬事に強い人に相談しないと、的確な答えやアドバイスをもらえないことがあります。法律に強いので薬事法を勉強して答えてくれる場合もありますが、薬事法を専門にしている人に相談するのに比べると内容がわかりにくいことが多いので注意しましょう。
都道府県の窓口で相談も可能
都道府県の窓口で薬事法に関する相談をすることはできます。保健福祉センターや保健所などが窓口になっているのが一般的です。電話でも施設でも相談ができる場合が多いですが、対応してもらえる時間が平日の昼間に限られているので注意しましょう。
都道府県の薬事関係の相談窓口では企業も個人も相談できるようになっているのが一般的です。個人からは薬事法違反が疑われるようなものを通報する窓口としてよく利用されています。企業では自社製品や他社製品について表示内容に問題がないかを確認してもらうのが典型的な利用方法です。
具体的な表示方法について提案をもらうことはできませんが、薬事法違反の場合には何が問題かを示してもらえます。
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薬事法専門のコンサルティングファームも利用可能
コンサルティングファームを利用するのは企業にとって薬事戦略を立てるのに役に立つ方法です。コンサルティングファームの中でも薬事法に強いスタッフが揃っているところを選ぶと効果的でしょう。医薬品や医療機器、医薬部外品や化粧品だけでなく、健康食品などの薬事法に抵触するリスクがある製品を開発している企業では、薬事に強いコンサルティングファームが有用です。
薬事法だけでなく医学や薬学、マーケティングなどにも強いスタッフがコンサルティングファームには揃っているからです。薬事法に抵触しないようにいかにしてプロモーションするかという視点でコンサルティングをしてもらえます。
広告表現を改善するという考え方で積極的な提案をしてくれるのがコンサルティングファームのメリットです。たとえ薬事法違反ではない広告だったとしても、もっとプロモーション効果のある表現に変えたり、追加情報を載せたりして改善する提案をしてもらえます。
違反になる部分には代替表現をして改善し、魅力のある広告に仕上げてもらうことが可能です。違法を指摘されやすい表現リストも提供してくれることが多く、最近の違法指摘の状況も踏まえて最新情報を適宜教えてもらえます。
安全性が高くてマーケティングに使いやすい広告を作りたいときには薬事法専門のコンサルティングファームに相談するのがおすすめです。
薬事法に強い個人コンサルタントに相談するのも選択肢
薬事法に関する相談をするときにコンサルティングファームを選ぶと費用が高いのが悩みになるでしょう。個人コンサルタントに相談すると費用を抑えつつ、コンサルティングファームに相談するのと同様に広告内容の提案をしてもらうことが可能です。
個人コンサルタントを利用する場合にも、相談前に薬事法に強いかどうかを確認することは欠かせません。個人コンサルタントは得意分野が狭いことが多いので、薬事法に対応できる人はあまり多くありません。コンサルティングファームのように大勢のコンサルタントが協力してサービスを提供してくれるわけではないため、費用対効果が高いかどうかはケースバイケースです。
ただ、薬事法チェックをしてもらう相談先を確保するという意味では個人コンサルタントは費用対効果を上げやすいでしょう。違法になる表現のリストを作成してもらうといった依頼をすることもできます。医薬品や化粧品、健康食品などの開発を積極的におこなっている企業なら、契約をして必要時にすぐにチェックしてもらえる体制を整えるのが重要でしょう。
個人コンサルタントはコンサルティングファームに比べると契約交渉をしやすいのでおすすめです。
薬事法の相談をするときの注意点
企業が薬事法の相談をするときには機密情報を出さなければならないので、あらかじめ準備を整えておくのが大切です。新製品のリリース前に薬事法に抵触しないかどうかを確認したい、そもそも製品開発を始める前から薬事法から考えて開発して問題ないかを知りたいということが多いでしょう。
少しでも情報が漏えいしてしまって、他社が先に製品をリリースしたら一大事になります。法律事務所やコンサルティングファームは信用を重視して守秘義務を徹底しているので安心です。しかし、公共機関では他の人も会話の内容を聞ける環境で薬事相談をすることになる場合が多く、近くにいた人が聞いて機密情報を知ってしまうかもしれません。
個人コンサルタントもコンサルティングファームと同様に信用を重視しているのが普通ですが、事業体で働いた経験が浅い人は情報漏えいリスクについての配慮が足りない場合もあります。薬事法に関わる相談をするときには場所や相手を慎重に吟味することが大切です。
情報漏えいのリスク対策は相談する側がしなければならないと考えましょう。
薬事法の相談は安全性の高いところへ
薬事法の相談をするときには機密情報を伝える必要がある場合がほとんどです。情報漏えいリスクが低く、情報の安全性が高いところに相談しましょう。薬事法に抵触しているかどうかを知りたいときには法律事務所が適切な相談先です。
広告表現の提案も受けたいときには薬事法に強いコンサルティングファームを活用しましょう。
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